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title 【やだやだやだ】 10分前後
ケイ ♂「」
アキ ♀『』
「なぁ」
『やだ』
「はえーよ!何も言ってないだろ」
『なに?』
「俺と付き合えよ」
『やだ』
「そこも即答か。何で嫌なんだ?」
『何でって、小さい頃からずっと一緒にいてさ、一緒に馬鹿やったり、泣いたり笑ったりって、この距離感になれちゃったからよ』
「あーね、成る程な」
『今の立ち位置が落ち着くのよ』
「でも俺、お前と手繋いだり、キスしたりしたいんだけど」
『しれっとキモい事言わないでよ』
「キモいって、普通だろ、好きな人とそーゆー事したいって思うのは」
『ウチはそんな事、考えたことないから分からないわよ』
「じゃあお前は、アキは俺の事好きじゃないって事か?」
『好きよ』
「じゃあーーー」
『やだ』
「だから早いんだよなー……アキは俺と手繋いだりとかしたいとか思わないの?」
『……思うわよ!』
「なのにダメなのか?」
『あ、ちょ、まって!……あぁもう!負けちゃったじゃない!』
「勝てた事ないじゃんか」
『今の勝てそうだったじゃない!ケイがそんな事ばっか言うから集中出来ないのよ!』
「じゃあもう一回やるか?」
『いいわよ、冷めたわ』
「そっか」
『……で、何?』
「俺と付き合わないかって話」
『それは分かってるわよ、何て言えば納得するのよ』
「うん。だけでいいよ」
『うんって……それじゃあ付き合っちゃうじゃない』
「だから付き合おうって言ってるの」
『ウチが言ってるのは、何て言ったら、ケイは諦めるのかって事!』
「諦めないよ?」
『本当に……何回目よ』
「50回は超えてるかな」
『そうよね?どんだけ振ればいいのよ』
「だって好きなんだろ?なのに付き合うのはダメって訳わかんないじゃん」
『ケイも分かってるのに聞くんだもん、酷いよ』
「……ごめん。分かってるよ。分かってるけど!アキが付き合って来た男と一緒にされるのは納得出来ない!」
『それは……ごめん。でもーーー」
「でもじゃないーーー」
『でも!ウチ、そんな強くないし。もうあんな思いは懲り懲りなのよ』
「アキが付き合った相手が6股男で弄ばれてたとか、付き合ってた男が実はホームレスだったとか、惚れた相手が実は小学生の女だったとか」
『……ちょっと待って。色々話盛られてる』
「そんな奴らと一緒にするなよ」
『そーやって、真面目な話してるのに直ぐふざける』
「嫌いじゃないだろ?」
『嫌いじゃないわよ』
「……でも、俺本気でアキのことーーー」
『やだ』
「だぁぁあああ!何でだよ!いつも断るの早いし!今結構いい流れだったろ!?」
『昨日と全く同じよ。ここまで一言一句と言っていいほど何も変わらない』
「んいぁ、確実に昨日より熱かっただろ!」
『そーゆー問題じゃないでしょ』
「じゃあどーゆー問題だよ」
『そもそも、ケイもこの流れを楽しんでるでしょ』
「どーゆー問題だよ」
『会う度にTPOも関係なしに告白告白って』
「どーゆー問題なんだよ」
『最近アドリブがおざなりで、面白みに欠けるって事よ』
「おもしろみにかける……辛辣だ……」
『泣かないでよ』
「泣いてねーよ!」
『泣きなさいよ』
「何でそこ煽るんだよ!何だよ、今日やたら攻めて来るじゃんか」
『いぁ、この流れも昨日と全く一緒。なんなら、ケイが言ってた熱さってのも昨日と一緒』
「あぁーそう言えばそうだったかも……じゃあ、あれか?面白みを得ればチャンス得て、アキを得られるって言うことか?」
『んーどうだろうねー』
「じゃあ思考を変えて!アキの事が〜好きで〜ーーー」
『やだ』
「……わかってた。うん……好きです!付き合ってください!」
『うん』
「あぁん、もうダメ…」
『いいよ』
「だよなー、流石にクド過ぎだよな。50回以上も逆にすげぇよな」
『だから、いいよ』
「わかった、もうやめるよ」
『ケイ』
「寧ろ今までこんなにシツコクしてたのにありがとうだわ」
『ケイ!』
「な、何?」
『だから、ちゃんと聞きなさいよ?』
「何だよ」
『ウチと付き合う?』
「やだ」
『んなっ!?何で振るのよ!』
「だってこの流れも昨日と一緒じゃんか!」
『こんなだから、いつも終着点無く終わるんでしょ?』
「アキが言ったんだぞ!俺が負けたから罰ゲームで、100日連続付き合う時の流れやってって」
『そーだけど』
「やらされてる身にもなれよ!そもそもアキも巻き添いみたいなもんじゃないか」
『確かにそーよ!ウチも罰受けてるみたいになってるじゃない!』
「知らねーよ……俺のせいじゃないだろ」
『ねぇ、お腹空いた!』
「はいはい、今日はアキが好きな俺を食べていいぞ」
『……やだ』
「間がリアルで余計傷付くわ!」
『寿司食べたい!』
「もうやってねぇわ!」
『えー……じゃあ、すき焼き!』
「昨日食ったわ!」
完title 【やだやだやだ】 10分前後
ケイ ♂「」
アキ ♀『』
「なぁ」
『やだ』
「はえーよ!何も言ってないだろ」
『なに?』
「俺と付き合えよ」
『やだ』
「そこも即答か。何で嫌なんだ?」
『何でって、小さい頃からずっと一緒にいてさ、一緒に馬鹿やったり、泣いたり笑ったりって、この距離感になれちゃったからよ』
「あーね、成る程な」
『今の立ち位置が落ち着くのよ』
「でも俺、お前と手繋いだり、キスしたりしたいんだけど」
『しれっとキモい事言わないでよ』
「キモいって、普通だろ、好きな人とそーゆー事したいって思うのは」
『ウチはそんな事、考えたことないから分からないわよ』
「じゃあお前は、アキは俺の事好きじゃないって事か?」
『好きよ』
「じゃあーーー」
『やだ』
「だから早いんだよなー……アキは俺と手繋いだりとかしたいとか思わないの?」
『……思うわよ!』
「なのにダメなのか?」
『あ、ちょ、まって!……あぁもう!負けちゃったじゃない!』
「勝てた事ないじゃんか」
『今の勝てそうだったじゃない!ケイがそんな事ばっか言うから集中出来ないのよ!』
「じゃあもう一回やるか?」
『いいわよ、冷めたわ』
「そっか」
『……で、何?』
「俺と付き合わないかって話」
『それは分かってるわよ、何て言えば納得するのよ』
「うん。だけでいいよ」
『うんって……それじゃあ付き合っちゃうじゃない』
「だから付き合おうって言ってるの」
『ウチが言ってるのは、何て言ったら、ケイは諦めるのかって事!』
「諦めないよ?」
『本当に……何回目よ』
「50回は超えてるかな」
『そうよね?どんだけ振ればいいのよ』
「だって好きなんだろ?なのに付き合うのはダメって訳わかんないじゃん」
『ケイも分かってるのに聞くんだもん、酷いよ』
「……ごめん。分かってるよ。分かってるけど!アキが付き合って来た男と一緒にされるのは納得出来ない!」
『それは……ごめん。でもーーー」
「でもじゃないーーー」
『でも!ウチ、そんな強くないし。もうあんな思いは懲り懲りなのよ』
「アキが付き合った相手が6股男で弄ばれてたとか、付き合ってた男が実はホームレスだったとか、惚れた相手が実は小学生の女だったとか」
『……ちょっと待って。色々話盛られてる』
「そんな奴らと一緒にするなよ」
『そーやって、真面目な話してるのに直ぐふざける』
「嫌いじゃないだろ?」
『嫌いじゃないわよ』
「……でも、俺本気でアキのことーーー」
『やだ』
「だぁぁあああ!何でだよ!いつも断るの早いし!今結構いい流れだったろ!?」
『昨日と全く同じよ。ここまで一言一句と言っていいほど何も変わらない』
「んいぁ、確実に昨日より熱かっただろ!」
『そーゆー問題じゃないでしょ』
「じゃあどーゆー問題だよ」
『そもそも、ケイもこの流れを楽しんでるでしょ』
「どーゆー問題だよ」
『会う度にTPOも関係なしに告白告白って』
「どーゆー問題なんだよ」
『最近アドリブがおざなりで、面白みに欠けるって事よ』
「おもしろみにかける……辛辣だ……」
『泣かないでよ』
「泣いてねーよ!」
『泣きなさいよ』
「何でそこ煽るんだよ!何だよ、今日やたら攻めて来るじゃんか」
『いぁ、この流れも昨日と全く一緒。なんなら、ケイが言ってた熱さってのも昨日と一緒』
「あぁーそう言えばそうだったかも……じゃあ、あれか?面白みを得ればチャンス得て、アキを得られるって言うことか?」
『んーどうだろうねー』
「じゃあ思考を変えて!アキの事が〜好きで〜ーーー」
『やだ』
「……わかってた。うん……好きです!付き合ってください!」
『うん』
「あぁん、もうダメ…」
『いいよ』
「だよなー、流石にクド過ぎだよな。50回以上も逆にすげぇよな」
『だから、いいよ』
「わかった、もうやめるよ」
『ケイ』
「寧ろ今までこんなにシツコクしてたのにありがとうだわ」
『ケイ!』
「な、何?」
『だから、ちゃんと聞きなさいよ?』
「何だよ」
『ウチと付き合う?』
「やだ」
『んなっ!?何で振るのよ!』
「だってこの流れも昨日と一緒じゃんか!」
『こんなだから、いつも終着点無く終わるんでしょ?』
「アキが言ったんだぞ!俺が負けたから罰ゲームで、100日連続付き合う時の流れやってって」
『そーだけど』
「やらされてる身にもなれよ!そもそもアキも巻き添いみたいなもんじゃないか」
『確かにそーよ!ウチも罰受けてるみたいになってるじゃない!』
「知らねーよ……俺のせいじゃないだろ」
『ねぇ、お腹空いた!』
「はいはい、今日はアキが好きな俺を食べていいぞ」
『……やだ』
「間がリアルで余計傷付くわ!」
『寿司食べたい!』
「もうやってねぇわ!」
『えー……じゃあ、すき焼き!』
「昨日食ったわ!」
完
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