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title「神の日常はなんとやら」 15分前後


登場人物
神:♂(が理想。♀でも出来なくはないが、一部改変しないとセリフが可笑しくなります)

結城 尚:♂

不来方 美緒:♀

神:「この物語はノンフィクションです。そして私は神です。好物はわたあめで、趣味は現実逃避。あっ!後、特技は嫌われる事なんだけーーーー」

尚:「(遮るように)よ!ごめんな、待ったか?」

神:「こら!私の冒頭でのカッコいいシーンを遮るとは、なんたる屈辱。だがしかし、私は神、寛大なる心の持ち主である私はそんな事は気にしなーーー」

美緒:「(遮るように)ううん、待ってないよ、今来たところ」

尚:「そっか、ならよかった」

美緒:「それよりお腹すいた、ご飯食べいこ!」

尚:「ご飯って…食ってから待ち合わせ言ってたじゃん」

美緒:「食べて来たよ、でもお腹すいたの!」

尚:「何で太んねーんだよ。世の中のデブ敵に回す事になるぞ?」

神:「再び参上!遅くなってすまない!拗ねていた訳ではないぞ、飲み物を取りに行っていただけだ。おっと、紹介が遅れたな、すまない。彼は結城 尚、女みたいな名前だが、しっかりと付いている。意味が分からなければ調べるといい」

美緒:「そんなこと言われたって知らないわよ。神にでも聞いて」

神:「彼女は不来方 美緒。見てわかる通り馴れ馴れしいカップルである。そして私は神だ、彼女が太らない理由は知らない。胃下垂ではないーーー」

尚:「(遮るように)にしても、天気予報どうなってんだよ、曇りって言ってたじゃん、ガッツリ雨なんですけど。」

美緒:「ねー!神様も空気読んでほしいよね。折角のデートなのに雨とか。多分、神様はモテないから泣いてるのよ」

神:「遮られるから、突っ込む気も無かったのだが、ここは寛大なる心の持ち主であるが為に乗ってあげるとしよう……何だとー!私がいつモテないと言った!?」

美緒:「きゃ!?」

尚:「おぉ、今の雷凄かったな……美緒が神様モテないとか言うから怒ったんだよ」

神:「そのとーり!私は神。事実、激おこぷんぷーーー」

美緒:「(遮るように)モテない言っただけで怒るとか子供じゃん。大人気ないって言うか、実は神様は子供だったりして」

神:「神ながらお恥ずかしい限りで何も言い返せないが、言ったところでどうせ遮られるーーー」

尚:「(遮るように)あははは、まぁ神様とかどうでもいいよ。それで、何食いに行くの?俺、腹減ってないよ」

神:「ほらぁ!やっぱり遮られる!神様に対して何様だ!」

美緒:「えぇーじゃあ、パフェとかは?デザートは別腹って言うじゃん?」

神:「遮らないんかーい!」

尚:「んーわかった。一口二口くれ。俺はそれだけでいいわ」

美緒:「いいよ!いこいこ!」

神:「もういいよ……ゴホンッ。こうして彼らはデートでは毎回行く喫茶店のパフェを食べに行くのであった」



神:「メンドくさいカップルは喫茶店に到着し、ありとあらゆるパフェを己の胃袋へと流し込んでーーー」

尚:「(遮るように)あぁ、おもしろ、あははは。あれはないわー」

美緒:「出来ないって言ったじゃん!もう行かないから」

神:「またかーい!……はぁ、流石にもういいです。と言いたい所だが、ちょっと待ってね……面白い?ん、パフェはどこに言ったの?パフェが面白かったのかな?」

尚:「嘘嘘!いあ、嘘じゃないんだけど……とりあえず、何が言いたいかと言うと……大好き!これが言いたかった!」

美緒:「私も大好き、愛してる!」

尚:「はぁ?俺のが愛してるし!」

美緒:「じゃあどれくらい?」

尚:「これくらい」

美緒:「ねぇ!ちっちゃ過ぎ!意地悪!」

尚:「ごめんごめん、でも本当に面白かったわ。楽しかっただろ?」

神:「えーと……だから何があったのですか?せめて内容くらい教えてくださいよ!」

尚:「それにしてもさー、あのタイミングでさ、出てくる!?って感じだったね」

美緒:「そうそう!アンタかーいってな」

神:「だから、なんなんですかー!?」

尚:「普通さ、クリームの下はプリンだろ!出てきたの寒天って……お前かーいってなるよな!」

神:「パフェかーい!あ、ごほん。えぇっとパフェのお話だったみたーーー」

美緒:「(遮るように)あはは、ビックリしたし、何より面白かったし、何より意外に美味しかったし、何より、食べてる時の尚がカッコよかった」

神:「ええ加減にするっぺ!なんだっぺなおめぇら、さぎがら人がしゃべっちょるどころを!なんばしよったい!なまらカチコンくるばい!」

尚:「ば、バカ!イキナリ何言ってんだよ!美緒だってちょっとは可愛かったぞ」

神:「今の遮るところだろ!寧ろツッコメよ!拾ってくれよー」

美緒:「ちょっとって何よ!そんな風に思ってたんだ!サイテー!」

尚:「ちゃうちゃうちゃう!何が言いたかったかと言うと……だいすきって言いたかったの!」

美緒:「もぉ、それならそう言ってよ」

神:「先程から何でしょうか…只々メンドくさくなってきた。けどやめなーい!それにしても、あれはないわー。の、〝あれ〟とはなんだったのでしょうね。気になる方は勝手に気になっといてください」

尚:「あぁ、苦しい」

美緒:「食べ過ぎちゃった、てへ」

尚:「てへ、じゃねぇよ!6個だよ?美緒が食べたパフェ……払うの俺だからな?」

美緒:「何よー!なら私が払うわよ!」

尚:「い、いーよ!別に。出してやるよ」

美緒:「何だかんだ優しいんだからー。よっ!イケメン!」

尚:「まーな!いい男捕まえたな!誇っていいぞ!?このイケメンを!」

神:「すまない、勘違いされる前に言っておかねばならない。彼は決してイケメンとは言えない。言うなれば下の上くらいのレベルでは無いかと神たる私は思う」

美緒:「すぐ調子乗るんだからー」

神:「更に言うなれば、残念なイケメン。せめてイケメンは付けてあげようと言う神たる私の心遣いである」



尚:「さーて、腹一杯になったから、次は運動だな!」

美緒:「えぇー疲れるのは嫌だよー」

尚:「だからー何で太んないだよ!」

美緒:「何で運動してて私より食べないのに尚は太ってるのよ!」

尚:「俺が知りてぇよ……きっと何だ、あれだ。神もちょーデブで、悔しくて俺をこんなにしたんだな」

神:「おい、私は太ってなどいない!」

美緒:「あははは、何それー。でも神様って太ってるイメージあるかもー」

神:「いやいやいやいや……偏見ですよね?実際問題、神は8割ムキムキのゴリマッチョですよ!残りはガリかデブですが、私はゴリマッチョッチョ!決して太ってはいない!」

美緒:「じゃあ、雨なのに暑いのは神様の所為でもあるのかもね」

神:「またれよ!私は太ってないーーー」

尚:「(遮るように)あははは、神がデブならそれは確信的だな」

神:「ちょ、待って!」

美緒:「ほんと!そうだとしたら最悪よね……湿気で髪型崩れるしー。汗臭くなるしー」

神:「あぁーそうかいそうかい。いくら寛大な心の持ち主たる私でも限界はあるざますよ!?」

尚:「でもさー、俺らが出会えたのはきっと神のおかげだよ。デブとかそんな事気にする前に感謝しなきゃだな」

美緒:「尚……確かにね!神様には感謝だね!」

神:「ぐすん、ぐすん……わかればいいんだよ……なんて言うと思ったか!?私は絶対に許さんぞ!」

尚:「そうそう、感謝感激何とやらって。きっとカッコよくてインテリで凄い神様なんだよ」

神:「……そ、そうか?うふふ、そこまで思ってるなら、私も考えを改めよう!何たって寛大なる心の持ち主たる神だかーーー」

尚:「(遮るように)でさ、何処行く?」

美緒:「んーカラオケ!」

神:「やっとですか?やっと!話が進みますか?私は神弄りの前から大分待ってましたよ!」

尚:「えぇーカラオケー?」

美緒:「何?嫌なの?」

尚:「別に嫌ってわけじゃないんだけどさー」

美緒:「だけど何よ?じゃあ他に何かあるの?」

尚:「しいて言えば……かくれんぼとか?」

神:「か、かかかかくれんぼ!?」

美緒:「かくれんぼ!?はぁ?何言ってんの?2人しかいないしさ」

神:「ごもっとも!私からも何言ってるんですか!?と突っ込んでおきます」

尚:「わかった、わかったよ。じゃあ」

美緒:「じゃあって何よ、特に無いんでしょ!?ならいいじゃない」

尚:「はい、特にないです……」

神:「はい、カラオケに決まったようですー」

尚:「いあ、でも」

美緒:「でもじゃない」

尚:「あ、はい……」

神:「女は強い……人間界でもそれは共通みたいですね」

美緒:「よし、じゃあ行こっか!」

尚:「……」

美緒:「どうしたの?」

尚:「やっぱりやだー、いぎだぐないー」

美緒:「いくのー!きーなーさーいー」

尚:「や゛た゛ー。ゆ゛る゛ち゛て゛ー」

神:「えっとー……何でしょうか。彼の豹変ぶりに戸惑っています」

美緒:「もー、わかったわよ。今日の夜はオムライス作ってあげるから」

尚:「ホント?嘘じゃない?騙してないよね?」

美緒:「嘘じゃないよ、作ってあげる。だから、行こ?」

尚:「よっしゃー!行こう!早く行こう!」

神:「男が単純バカと言われる所以はこれである」

一拍

美緒:「あー!」

尚:「え!なになに!?どうしたの?」

美緒:「今日は呑もうって言ってて店予約してたじゃない!」

尚:「あ……」

神:「予約したのは朝。もう忘れてたんですか!?」

尚:「そんなのキャンセルすればいいじゃん!」

美緒:「あのねー、コース予約したのよ?キャンセルしたらキャンセル料発生するって言ってたじゃない」

尚:「言ってたっけ?」

神:「えぇ、確かに言っておりました」

美緒:「オムライスはまた今度だね」

尚:「い゛や゛た゛ー!」

神:「始まりましたね。予感はしていましたが」

美緒:「仕方ないでしょ!諦めなさい」

尚:「食べたいもん!どうしても食べたいの!」

美緒:「来年作ってあげわるから」

尚:「ぐぬぬ。わかった……」

神:「え……来年でいいのですか!?今3月ですよ!?てか、明日作ればいいじゃないですか!?それを来年って、それにですよ?来年って来年のいつですか!?12月とかになったら、一年以上待つことになりますが……」

美緒:「別に尚の事好きだから作るんじゃないんだからね!?」

神:「と、突然のツンデレ!?え?何事?」

尚:「え、何それ。可愛くないからな?」

神:「尚様……わたくし神も同意でございます」

美緒:「ひっどい!そんなハッキリ言わなくてもいいじゃん!」

尚:「ごめん!悪気はあったんだ」

美緒:「悪気あるとか余計要らないわよ!」

神:「何だろう。今の返し面白いな。私も使ってみようかな」

尚:「だってあったんだからしゃーないだろ?素直なの」

神:「素直なら許される訳でもなかろうに……ッ!?お電話です!相手は……アテナか、ら……あ、アテナは私の鬼嫁です。ゴホンッ、はい、しもしもー?どうしたのマイハニー?え。あ……はい。すいません。忘れてました。すいません!すいませんでした!ごめんなさい!この通りです!そ、そうですよねー。どの通りですよね、見えませんもんね……はい、すぐ行きます。はい!任せて欲しい!では待っててたもーれ!愛するマイハッ!?……切られました」

尚:「でもね?そんな美緒の事も好きだし、どんな美緒でも大好きだよ」

美緒:「そんなんで私が許すと思ってるの?」

神:「すまない!とーっても良い所!とは言い切れないのだが、鬼嫁さんが待っておられるので続きは皆様のご想像にお任せします。叱られに行ってまいります。ジャスト ア モーメント!マイハーーー」

尚:「その脂肪で僕の冗談をも受け止めてくれ!」

美緒:「あんたより痩せてるわ!」

神:「……はぁ」



尚:「程なくして僕は同性が好きなのに目覚め、それを美緒に打ち明け、今ではとっても素敵なゴリマッチョに抱かれる日々を過ごして居ます」

美緒:「現実に嫌気がさした私は振り向かれる事が無いのを知っていても、裏切られることの無い画面の向こうの彼に、一途になる日々を過ごすようになりました」

神:「ごめんよマイハニー!どうか386度目の私の罪をお許し願う!許しておくれぇえええ!!」

fin







 

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