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ミッションインチョッチブル 45〜60分台本


配役
スペード♂(スペードN):頑なだが、本人は自覚なし。楽しい事を好む実は楽観者。格闘技に長けているが本編には使われない。何故かおネェになる

クローバー♂:偽善者代表。すぐ態度をコロコロ変えるノリで生きてる男。口が軽い。

ハート♀:合法ロリ。お調子者だが、やる事なす事全て上手くいく謎の強者。組織一のスピードの持ち主。

クレア♀:頭の回転が早く、人の心を読む事が出来る。無愛想だが笑うと可愛い。悪ノリが凄い。戦闘力は皆無。


※台本チェック推奨……文中にセリフを被せる部分が多々あります


〜〜建物前〜〜

ハート:「えっとぉ……今日のターゲットは、ここかぁ」

スペード:「あぁ、ここの最上階にある神秘の飛翔石が今回の依頼だ。セキュリティも万全だ、迂闊な事はせず慎重にだな……」

ハート:「(遮るように)私が”取ったどぉ”するんだぁ!レッツラゴー!」

スペード:「(遮るように)ちょっ!?まっ!……はぁ、だからハートとは組みたくないんだよ…帰ったら文句言ってやる」


〜〜潜入〜〜


ハート:「へぇ〜これがセキュリティ万全かぁ、大した事ないね!これなら私達がわざわざ来る事もなかったんじゃない?なんか退屈になりそ〜」

スペード:「おいおい、油断とはまだまだだな。仕事の難易度にレベルの違いはあれど、どれも同じ仕事に変わりはない。それに我々にミスは許されない、慎重に行くぞ」

ハート:「はぁ〜い……スペードって無駄に堅いよね。楽しまなきゃ、だよ!てことで、楽しんでいこぉ!」

スペード:「私はこれでも楽しんでいるのだがな……(呟くように)そんなに私は堅いのか……」


〜〜謎のものとの遭遇〜〜


スペード:「待てっ。誰かいる…警備のものか、それとも同業者か……少し様子を見よう。わかったなハート、くれぐれも変なことはするなよってあれ?……あぁ!」

ハート:「(遮るように)やっほぉ!そこの人ぉ、何してるのぉ?」

クローバー:「ぬぁ!?……えっ。あれ?ハートじゃないすか!こんなとこで何してんすか?」

ハート:「えぇーっとねー……この先にある、なんたらってヤツを取りに来たの!スペードもいるよ!クローバーは?」

スペード:「フッ、まさかお前が来てたとはな。久しぶりだなクローバー」

クローバー:「おぉ!スペードォオ!久しぶりっすねぇ。もしかしたら同じ依頼すか?俺もハートが言ってた、なんたらって言う神秘の飛翔石の依頼っす」

スペード:「クローバーもか……どういう事だ。上のものは一体何を考えているんだ…」

ハート:「まぁいいじゃないかぁ。えぇじゃないかぁ。仲間が増えたって事で、御目当てのものはこの先なんでしょ?さっさと終わらして、前みたいにみんなでお喋りだぁ」

クローバー:「おぉ?いいっすね!俺がどんだけ活躍したか話してやるっす!」

スペード:「前みたいにか……それは楽しみだな」


〜〜目的の部屋到達〜〜


ハート:「トトトトトォー!やったぁ!私がいっちば〜ん」

クローバー:「あぁ〜待つっすー!はぁはぁ、ハートは相変わらず早いっすね」

スペード:「よっ!遅かったな。待ちくたびれたぞ」

ハート:「え?」

クローバー:「は?後ろに居たんじゃ……」

スペード:「ん?なんだその反応は…早く終わらせて呑むんだろ?チンタラしてらんないだろ」

クローバー:「そりゃそうっすけど…てっ、え?何これ…飛翔石は?」

ハート:「綺麗……お人形さん?」

スペード:「その事については私も頭を抱えている……ターゲットはここの部屋の神秘の飛翔石のはず」

ハート:「だけど、あるのは飛翔石ではなく」

クローバー:「そこには、人らしきモノがいるだけ、と」

クレア:「お待ちしておりました。スペード・ハート・クローバー。私が今回の依頼主クレア・ハーベストです」

ハート:「ひゃっ!?喋った!」

スペード:「ほぉ、貴方が依頼主のクレアか……で、これはどういう事だ?」

クレア:「貴方たちには、神秘の飛翔石の奪還と伝えましたが、本当の目的は、私の護衛任務です。」

クローバー:「えぇっと、クレアさん?どーゆーことすか?分かりやすくお願いしたいっす」

クレア:「わかりました。私はスキャルダ王国王女、アンジェリカ・ジョ……」

ハート:「(遮るように)スキャルダ王国王女って、あの大国の!?」

クレア:「(咳払い)話は最後まで聴いてください。スキャルダ王国王女のアンジェリカ・ジョセフのクローンです。そう、私は造られたモノ。その製造過程で私の体内には王国の軍事機密のチップが埋め込まれています」

スペード:「なんともデカイ話になりましたな。そのチップはそんなに価値あるモノなのか?」

クレア:「はい。このチップ1つあれば、衛星や全世界のネットワークのハッキングは容易いもの。更に半径100キロはチリに出来るプロトニウム核爆弾の設計図まで入ってます」

クローバー:「おいおい、こりゃ世界的問題!なんでそんな物騒なモノ残してんすか、壊すなりなんなり出来たっすよね!?」

クレア:「はい。それは出来ました。しかし、私の創造者は言っていました。このデータがあるから、この国は生きながらえ、繁栄し安寧を得たと……」

ハート:「あんな大国がそんなに危ないの?かなり裕福な国だと思うけど」

クレア:「表立っては居ませんが、内部ではかなりの歪みや亀裂、闇があるのです。それに貴族内部の反乱や一部の民の抗争により、国は滅び掛けた事もあります」

クローバー:「話は何となくだがわかったっす。で、俺らにどうしてほしいんすか?」

スペード:「待て、クローバー!信じるのか?それに私達には手に負えない事かも知れないぞ?」

クローバー:「こんなに綺麗な女の頼みっすよ!?断ったら男が廃る!それに内容は違えど、一度受けた依頼っす。やってやるっすよ」

ハート:「クローバーかっこうぃい!よっ!イッケメ〜ン。て事で、私も乗った!なんか楽しそうだし〜エヘヘ〜」

スペード:「エヘヘ〜って、お前ら……はぁ、わかった。クレア、お前の命預からせてもらう」

クレア:「あ、ありがとうございます!では、皆さん宜しくお願いします」

クローバー:「でさ、クレアちゃん」

クレア:「クレアちゃん?」

クローバー:「あ、嫌だったら、ちゃん付け止めるけど」

クレア:「いえ、大丈夫です。初めてそう言われたので、驚いただけです」

クローバー:「へ?そーなのすか?んじゃ、クレアちゃんで!それで具体的に何するんすか?」

ハート:「敵が来たら、バーンってやってビューンってバッキバキのメキメキのシナシナにすればいいんだよ!」

クローバー:「待て待て、最後のシナシナってのは引っかかるすよ!どんなんすか」

スペード:「クローバー……お前は知らないのか…残念ながら私も知らない」

クローバー:「てっ、知らないんかーい!」

クレア:「ウフフ……」

クローバー:「おっ?笑うんすね。良い笑顔するじゃないすか!惚れちゃいそうっす」

ハート:「もぉ〜クローバーったら……女には目がないんだから」

スペード:「お前ら、和んでるとこ悪いんだが、敵さんは待ってはくれないみたいだぞ。取り敢えず、ここから脱出しよう。クレアの事はクローバーに任せるぞ?私にはハートのお守りで手一杯だからな」

ハート:「お守りってなによ!お守りされるほどやわじゃないよ〜だ」

クローバー:「てことらしいっす。クレアちゃん、俺から離れんなよ?しっかり守ってあげるからね」

クレア:「はい、クローバーさん頼みました」

スペード:「じゃあ、いくぞ」


〜〜飛行機内部〜〜


クローバー:「てか、ハート、飛行機運転できたんすね」

ハート:「え?ノリだよぉ!車の免許も持ってないよぉ〜」

スペード:「持ってなかったのかよ!?」

クレア:「えっと、大丈夫なのですかね?」

スペード:「まぁ大丈夫だろう。ハートはミスをした事がない。(震え声)信じていいだろう」

クローバー:「ちょ、まっ!震えてるじゃないっすか!説得力ないっすよ〜」

クレア:「クローバーさん、ハートさんを信じましょう。彼女なら大丈夫です」

クローバー:「クレアちゃんが言うならわかったっす…てか、ハートって幾つなんすか?」

ハート:「ん?私32だよ」

スペード:「えっえぇぇえええ!!さささ32!?その身長で、その見た目で、その声で、32!?私より歳上だったのか…」

クローバー:「知らなかったんかーい!てか、マヂすか…32って。オバさんやん…騙されたっす…」

ハート:「オ・バ・さ・ん?誰がオバさんですってぇええ!」

クローバー:「ちょ!?ハンドルハンドル!!落ちるっすぅうう!!」

クレア:「任せてください。私が運転します」

スペード:「えぇぇえええ!!運転できたのか!?」

クレア:「はい、私は免許持ってますよ」

クローバー:「マヂすか……美貌を兼ね備え、更に免許まで持っているとは……また君に惚れちゃいそうっすわ」

ハート:「ふんっ、どーせ私は免許ないですよ〜ん」

スペード:「で、クレア。何処に向かっているのだ?」

クレア:「はい、そうですね。そろそろ皆さんには本題を話しましょう」

クローバー:「え、今更本題!?まだ入ってなかったすか?」

ハート:「クローバーはいちいち細かいのよ。そんなだから、当て馬野郎って言われるのよ。このハゲッ!」

クローバー:「当て馬はまだ良いとして、ハゲは、ハゲだけはやめてほしいっす〜」

クレア:「(咳払い)そろそろ茶番は満足しましたか?」

クローバー:「あ、はい」

クレア:「……私たちが向かっているのは、ガルバダ。そこに居る、私を造った博士に会いに行きます」

スペード:「ガルバダか……博士に会ってどうする?」

クレア:「まず、熱い抱擁を交わし、身体の隅々までボディチェックをしてもらい。博士ならチップを取り除く事が出来るかもしれません」

クローバー:「熱い抱擁!?ボディチェック、だと……お、お、俺にもさせてほしいっす!」

ハート:「んもぉ〜しょうがないなぁ〜。そんなに言うならちょっとだけよ」

クローバー:「お前じゃないわ!」

スペード:「成る程……博士か……そしたら、クレアは助かるかも知れないんだな……よしガルバダに行こう」

クレア:「(スペードの博士か……辺りから被せて)はい、着きました」

クローバー:「(クレアに続いてスペードに被せて)おっ?着いたんすか?いきましょか」

ハート:「(クローバーに続いてスペードに被せて)つ・い・た!さっ、いこいこ!」

スペード:「てぇっ、あれ?みんな?」

ハート:「何してんのー?置いていっちゃうよ〜」

スペード:「私を置いてくとは何様だ!」

ハート:「うるさい」

スペード:「うるさいとはなんだ!まず第一にーーー」

ハート:「(遮るように)うるさい!」

スペード:「は、はい」

クレア:「あのー、何か書いてありますよ」

クローバー:「ええっと、何々?スペードこの後死ぬかも?えぇ!?死んじゃうんすかスペード!」

スペード:「ぬあ!?誰だそんな事書いたのは!」

ハート:「うるさい」

スペード:「うるさいとはなんだ!私は絶対に死なんぞ!どうせ、こんなのイタズラだ!お前らが書いたんだろ」

クレア:「うふふ」

スペード:「おい、何とか言えよ……」


〜〜夜の倉庫〜〜


クローバー:「ここは薄暗く、月の明かりが輝きを放ち、物音一つ無い静かな荒野であった……俺たち寄せ集めレンジャーもとい、愛と情熱の戦士レッドことクローバーと……その他3名との旅の話であるっす」

ハート:「ねぇスペード、クローバーがまた変なスイッチ入ったみたいだけど……」

スペード:「それどころではない!放っておけ!……私は死にたく無い。気を引き締めて行かなければ」

ハート:「にしてもぉ、何で居場所バレたんだろうねぇ……やっぱりスペードの臭さは尋常じゃなかったってことなのかな?」

スペード:「え、ちょっと待て。臭い?私が?……そうやって私をネタキャラに持っていくのは良くない!私は誠実で紳士な存在であるべきなのだ!臭いわけが…」

クレア:「(遮るように)キャー!ヤダヤダヤダ!こっち来ないで!」

クローバー:「ん!?クレアちゃんがピンチ!敵は俺が倒す!クレアちゃんは俺が守る!トォー!スタタタターン、お待たせっす!」

クレア:「……クローバーさん、助けて……虫が。私虫ダメなんです」

クローバー:「俺の女を泣かせる奴はゆるさねぇ!覚悟するっすよ!」

スペード:「ぬぁ!?ちょっと待て!私だ!」

クローバー:「問答無用っす!オリャァアア!ハッ!テヤッ!」

スペード:「(頭の中で)待てよ……これがフラグだとすれば、これを乗り切れば私は死なない、ならば……昨夜テレビで修得したあれを試すか」

クローバー:「観念せいやぁ!俺の攻撃から逃げられる奴はいない……はずっすよ!」

スペード:「時満ち足り、銀河一等星の輝き萌ゆる、ユカリン超絶萌えキュンファンタジックアタック。くぅらぁぇえー!ユカリンダイナマイトォー」

ハート:「え、何それ……キモ」

クローバー:「そりゃ無いすね……俺も流石に引きます」

スペード:「まてぇえええ!ユカリンの凄さわからんのか!?クレアは分かるよな?な?」

クレア:「見た事ありますが、ちょっとドン引きですね。ごめんなさい。分かりやすく言ったら、ユカリン超絶ドン引キックです」

スペード:「ガーン……ちょっとなのに、ドン引きに引っかかるが……誰も分かってくれなのか?ユカリンの素晴らしさを……うぅぅ。ユカリン……」

ハート:「そこまでか……だから私にあんなにツインテールを推してきたのか……ただのゲス、キモ、クサ、ロリコンじゃない」

クローバー:「やっぱり、ネタキャラ勝てないっすわ。格が違いすぎます。格が、はははは」

クレア:「(小声)私もユカリン大好きなんて、言えない……」

ハート:「にしても、流石クローバー!あのゲス、キモ、クサ、ロリコン狙いながら敵倒すなんて、見直しちゃった。序でにやっちゃえばよかったのに〜もぉ」

クローバー:「はははは、そんな事無いっすよ。ハートだって沢山倒したじゃないっすか。まぁ俺としては、本気で主役狙ってたんすけどねぇ、倒せなかったすわー」

ハート:クローバー:「はははははは」

クレア:「(2人に合わせて苦笑い)はは、あははは」

スペード:「ユカリン……ユカリンは正義だ。天使だ。神だ。ユカリンこそ絶対神なんだ……ちくしょう、うぅぅ……」

ハート:「いつまでやってんのよ。結局スペードは1人も倒してないんだからね?活躍ゼロ。分かる?そんな人ユカリンが好きになるわけないでしょ、フラグ折って生き延びたんだから、前向きに!ほら行こ、GK2R」

スペード:「ぉ、おぅ。ん、待て、ジーケーツーアール?なんだそれは」

ハート:「ゲス、キモ、クサ、ロリコン……長いから略してGK2R!ドヤ、カッコいいでしょ!」

スペード:「響きだけだろ!あくまで悪口ではないか……」

クローバー:「いいっすね!カッコいいっすよ!GK2Rスペード!二つ名みたい!」

クレア:「(棒読み)わぁ、ステキ。GK2Rいいですね。」

スペード:「そ、そうか?そこまで言うなら、良かろう!私は今からGK2Rスペードだ!はーはっはっはっはっはー、はーはっはっはっはっはー……さぁ、新生GK2Rスペードがお相手いたそう!何処からでもかかってこーい!」

(スペードの高笑いから被せてく)
ハート:「ちょろ……扱い易くて助かるわ」

クローバー:「本当みんな怖いっすわ〜」

クレア:「あはは、仲間、なんですよね?」

ハート:「まぁ、多分?」

クローバー:「その適当感好きっすわ〜」


〜〜研究所〜〜


スペード:「ここか、博士がいるのは」

クレア:「えぇ、コンコン、失礼します」

クローバー:「ちょっと待つっす!コンコンって……ノックじゃなくて実際に言うんすか!てか失礼しますって、礼儀正し過ぎないすか!」

クレア:「いえ、合言葉なんです。これでゲートが開くんです」

ハート:「何それー、おっかしぃ」

スペード:「合言葉か……私達も何かカッコいいものはないか……」

ハート:「ん、GK2Rどうかしたの?」

スペード:「ん、いや、私達にもそう言った合言葉やチーム的な何か無いかな、とな」

クローバー:「もうGK2R馴染んでるし……」

ハート:「んーそうだなぁ……ハート様と下僕達!ってのは?」

スペード:「却下だ!」

クローバー:「無いっすねー」

クレア:「私は合ってると思いますけど……」

ハート:「クレア本当!?やっぱわかってるわね!これだから男は人としてダメなのよね」

スペード:「待てよ。何故、人として否定された……」

クローバー:「スペードは本当に見る目ないっすよね〜。ハート様と下僕達!いいじゃないっすか!最高っすよ!」

スペード:「なっ!?裏切るとは……きびだんごやるから仲間になれ!」

クローバー:「女を敵に回すとおっかないんすよ?てか何なんすか?きびだんご?そんなのいるかー!」

ハート:「あれ?クレアは?……あ、いた!博士いたー?」

クレア:「うぅぅ……」

スペード:「どうしたんだ?博士に何かあったのか?」

クレア:「うぅぅ。博士が、博士が……眠っています……」

クローバー:「えーっと、整理するっすね…んーと、要するにあれすか?その熊が博士で、今は睡眠中?まさかの冬眠中的なすか?」

クレア:「うぅぅ。はい……博士は熊です。そして冬眠時期なのを忘れていました……(怒り)何より、博士の抱擁が受けられないのは辛いです」

ハート:「そこかーい!どんだけ抱きつかれたかったの!?そんなに抱かれたいなら、いっその事私が、ぐへへ」

クレア:「結構です……色々硬そうですし」

スペード:「フッ。振られたなハート!それに胸が無い事までズバって!ははははは(吹っ飛ばされる)あべし!」

クローバー:「こうしてスペードの人生の幕は閉じたのであった……」

ハート:「死んどけゴミ」

クローバー:「まぁ、死んだ仲間は気にしても仕方ないからいいとして、博士寝てるけど、どうすんすか?」

クレア:「そうですね。ゴミはゴミらしく放って置いて、どうしましょう……博士なら何かわかると思って来ましたが、困りました」

ハート:「ホント、あんなゴミが起きてる代わりに博士が起きてたらよかったのに……」

スペードN:「(咳払い)博士に会いに来た彼らであったが、博士は熊であり、冬眠中であったのだ……私はどうしたか?それは、あれだ。フラグを回収した!とだけ言っておこう」

ハート:「まぁ、冬眠中なら仕方ないじゃん!博士は諦めてさ、スキャンダル王国に直接行ったら何かわかるんじゃない?」

スペードN:「訂正しておこう。スキャンダル王国ではなくスキャルダ王国である」

クローバー:「そうっすねー、待ってもいられないし、お荷物居なくなったすもんね!」

クレア:「そうですね、物語の進行もしやすくなりましたし、直接行ってみます。険しい道になると思いますが、宜しくお願いします」

ハート:「まっかせといてよ!あの木偶の坊がいなくなった私は最強よ!」

スペードN:「私はかなり嫌われており邪魔者だったみたいだ……(咳払い)こうして彼らはスキャルダ王国に向かうのであった」


〜〜王国前〜〜


スペードN:「無事、王国前までやって来た3人。クレアの道案内により裏口から内部に潜入する」

ハート:「ここはドカーンと盛大に正面からいこー!」

スペードN:「え……ナレーション無視ですか?進行通り行ってもらわないと困るんですが…」

クローバー:「いぇーい!派手にいくっすよー!勿論、クレアちゃんはしっかり守るっすよ」

スペードN:「ナレーションになっても、こんな扱いですか?そんな露骨な扱いしなくても……」

クレア:「流石に可哀想になってきました」

ハート:「何言ってんのよ。今は亡きGK2Rは超が付くほどのドMなのよ?だから、内心ハイテンションだよ」

クレア:「そうだったんですね!なら、よかったです。頑張ってチャチャ入れてくださいね、へっぽこナレーターのGK2R」

スペードN:「朗報です。只今より私は超!ドMになりました。これからもこんな私を何卒よろしくお願い致します」

クローバー:「こんだけ敵さんいてくれたら、俺の技の見せ所があり過ぎて困りまくりっすな!オリャァアア」

ハート:「アハハハ!クローバー楽しそうね!おおっとぉ〜こんなに可愛い女の子に何すんのよ!べぇ〜だ」

クローバー:「せやっ!はっ!後ろがガラ空きっすよおじさん、はいドーン」

ハート:「はい、ざ〜んねん、こっちでした〜っと〜……よしっ、あらかた片付いたかな?」

クレア:「2人とも凄いです!何とかさんがいた時より活き活きしてて、強くてカッコよかったです!」

クローバー:「フンッ、惚れられちまったすか……結婚か」

ハート:「えぇ……私……その……ごめんなさい」

クローバー:「だから、お前じゃねぇっすよ!」

クレア:「ノリツッコミも冴え渡ってますね!」

スペードN:「私の立ち位置は本当に無くなってきているが、今は何を言っても叶わん。何故ならフラグを回収したからだ。そんなこんなで2人の活躍により正面突破は成功し、城に乗り込むのであった」

ハート:「はぁ、つっかれたぁ〜今日もいっぱい動いたし、今日は休んで明日の朝、また正面から城に入ろっか!」

クローバー:「そうっすね!腹減ったっすわ」

クレア:「私はシャワーを浴びたいですね」

スペードN:「またしてもナレーション無視……(咳払い)訂正しよう。王国に乗り込む事に成功した彼らは一次休息を取り、明朝、城に行く事に決めた」

クレア:「……」

スペードN:「そこ黙るなよ!!」

ハート:「えぇーいい感じに話纏まってたじゃん、終わりの流れでしょ」

クローバー:「そうっすよ。キリいいじゃないっすか!空気呼んでくださいよ、ナレーターさん」

クレア:「何とかさんって、戦っても活躍しなくて、ギャグ線もイマイチで空気までも読めないんですね!」

スペード:「あぁ、もういい。もううんざりだ……ナレーターなんてやってられるか!……今回の役も嫌々やらされたが、後悔しかない!人を何だと思ってんだ!」

ハート:「人も何も……死者のあんたに人権なんてある訳ないでしょ!」

スペードN:「だそうです。私は存在感を失い、命を失い、人権までも失ったそうです。まぁ話が進みませんので、王国に行くとしましょう。終わりませんからね?終わらせませんよ!」

〜〜王国〜〜


スペードN:「敵地である王国内で呑気に睡眠を済ませ一夜が明けた。身支度を済ませた彼らは王国の城に乗り込むのであった」

クレア:「恐らく王国内は昨夜の騒ぎで警備がより厳重になってると思われます。気を付けてください」

クローバー:「ああぁぁぁぁぁぁ!」

ハート:「なっ何よ!いきなり大声出して!発情期ですかぁ?」

クローバー:「ちゃうわ!それに、どっかで聞いたことある様な事……じゃなくて!歯磨き忘れたんすよ!」

スペードN:「ええっと……歯磨き?敵地ですよ?呑気すぎにも程がありますよ。早く進行してくださいよ」

クレア:「ナレーターさん煽ってきますね…」

ハート:「生意気よね。ナレーターのくせして」

クローバー:「ひゃ〜、女ってこえーなー」

ハート:「早くしなさいよ、クローバー待ちなんだからね!」

クローバー:「へいへい、磨いてきまーす!」

スペードN:「私の扱いは相変わらず酷いが……」

クレア:「(遮るように)クローバーの歯磨きが済み、私達は城内に侵入を試みるのでした」

スペードN:「え、待って……進行通り行かないのも、罵られるのも許すから……ナレーターの立ち位置までは奪わないで……」

ハート:「あははは!クレアにまで、あははは、おっかし〜」

スペードN:「お願いします。せめてもの情けを……私に慈悲をください」

クローバー:「おっまたせぇ!ん?どうかしたんすか?」

ハート:「なんもないよー!行こっか!」

クローバー:「おうっ!いざ城に!」

クレア:「はい」

スペードN:「ぉ、おぉー」



ハート:「あらら〜、やっぱり沢山いるね〜」

クローバー:「こりゃ、俺でもちょっと堪えそうすね」

クレア:「ついて来てください!上位貴族しか知らない裏口へ案内します」

スペードN:「そう言ったクレアに2人も賛同し、裏口から城内へ侵入する……私が居ればこんな数でも余裕なんだが……私は今は亡き。無念と言うより不満だ!」

ハート:「なーにペチャクチャ言ってるのよ!気が散るから失せてなさい」

スペードN:「覚えておけ……来世までも呪ってやるからな」


〜〜城内〜〜


スペードN:「あくまで優しい私は呪う事なく見過ごし、そうこうしてる間に場内へ難なく侵入したのであった」

クローバー:「ひょえ〜……本ばっか」

ハート:「ここは、書物室?」

クレア:「そう。ここにある本は使われる事を禁止された、禁書よ」

クローバー:「まぢかよ!これ全部禁書?お宝じゃないっすか」

スペードN:「壁一面には数え切れない程の本と……スプーン?があった」

ハート:「あのねぇ、本が沢山あるってもう私達が言ったでしょ!同じ事言ってどうすんのよ!それにスプーンなんてある訳……ッ!」

クローバー:「確かにスプーンすね」

クレア:「スプーンですね……何故でしょう」

ハート:「べ、別に私は負けてなんかないんだからね!」

クローバー:「勝ち負けだったの?てかスプーンの有る無しで勝ち負けって、はははは。本当おもしろいっすわ」

ハート:「う、うるさいわね!何よ、文句ある?」

クレア:「そう言えば、この部屋の何処かに蘇生についての本があったはず」

スペードN:「何!おいお前達!探し出してくれ!頼む。お願いいたします。この通り。」

ハート:「蘇生?誰を?いらないでしょ"そんなの"」

クローバー:「でも、せっかくそんなのがあるんすから、やってみてもいいんじゃないすか?一応、元仲間なんすから、一応」

クレア:「そうですよ。生きてても死んでても、存在感然り、その他諸々の影響力、役割は変わらないですから」

ハート:「そうね……じゃあ探しましょうか」

スペードN:「そうして、蘇生術を記した本を探す事になった。そして、段々と私の扱いが悪化してくのに慣れを感じ始めて来たが、慣れとは恐ろしい。自分が自分で無くなってしまうようだ」

ハート:「あ、あったわ!これよね?」

クレア:「はい、それで間違いありませんね」

クローバー:「流石っすねハート、1番の思い人なだけはあるっす!」

ハート:「ん?なーにー?死にたいって言ったのかしら?」

クローバー:「あははは〜冗談っすよ〜……あっぶね〜どっかの誰かの二の舞になるとこだった」

ハート:「で?クレア、どうすればいいの?」

クレア:「この本によれば、 この本にフェニックスの雫を垂らし、蘇生者の髪の毛と一緒に燃やす、みたいですね」

ハート:「あぁー、しまったー!」

クローバー:「え、何?どうしたの?」

ハート:「髪の毛よ!髪の毛!」

クレア:「あ……」

クローバー:「何で30も行ってないのに禿げてんすか……諦めですかねー」

ハート:「脇毛でやってみましょ!」

クローバー:「まぢかよ。大丈夫なんすか?てか、フェニックスの雫て何すか?」

クレア:「これ、ですね」

ハート:「何で書物室にあんのよ。まぁラッキーだけど…とりあえず、やってみよー!」

スペードN:「髪の毛のない私は代用として脇毛を使っての蘇生に心配と希望で胸が一杯であった」

クレア:「……では、始めます。毛深き汝の力をもって、彼の御霊を呼び戻したまえ……」

クローバー:「おぉ!何か光ってる、輝いてる!」

ハート:「頭だけね」

クローバー:「そこは盛り上げなきゃじゃないっすか!」

ハート:「ん?」

クレア:「生えてますね」

クローバー:「生えたね」

スペードN:「生えました。なんか嬉しいけど悲しい」

ハート:「そこじゃないでしょ!生き返ったの?」

クレア:「生き返ったのは髪の毛だけ、ですね」

クローバー:「それじゃダメじゃないっすか!髪の毛の生えたスペードさんなんて見たくなかった……」

ハート:「でも、案外良い面してるわよね」

クレア:「えっと……あっ!呪文間違ってました……」

クローバー:「そこ間違えちゃダメっすよ!」

クレア:「も、もう一度やってみますね!」

ハート:「時間取るのもなんだし、今度はよろしくね」

スペードN:「私からも何卒よろしくお願いしたい」

クレア:「では、気を取り直して……ハァァアア!生命の理は死より始まり、死に終わる。傀儡と化し蘇りて、我にしたが……」

クローバー:「(遮るように)ちょっと待つっす!死とか、傀儡とか、何言ってんすか!?」

クレア:「何って、どうせなら、私のお人形さんにしよっかなって……ダメでした?」

ハート:「クレアがペットとして欲しいならいいんじゃない?」

クローバー:「ハート……それはあんまりじゃないっすか……」

スペードN:「クレアのペットか……意外に悪くないかも知れんな」

クローバー:「真面目に頼むっすよ、クレアちゃん。それにハートも悪ノリしないっす!」

クレア:「はい、ごめんなさーい」

ハート:「私は割と真面目に言ったんだけどなぁ」

クレア:「で、では、更に気を取り直して……慈愛満ち足り汝の力をもって 彼のみちゃま呼び戻したまえ……」

クローバー:「きたー!今度は全体的に光ってるっす!」

ハート:「ん、今、噛んだ……?」

スペードN:「遂に、待ちに待った私の復活。視聴者の皆さま、大変お待たせしました!遂に私が蘇りますよ!」

ハート:「生きてますかー?」

クローバー:「あ、起きた」

スペード:「(おネェ口調)ん、ん〜……やっと生き返ったわ〜。ありがとん、今までの事は許さないけど……今回は感謝しとくわ」

クレア:「え、あれ……」

クローバー:「ちょっと待つっす!どうなってんすかこれ?」

ハート:「オカマになっちゃった?」

スペード:「オカマじゃないわ!おネェさんよ!」

クローバー:「変わりすぎじゃないっすか……」

ハート:「そういえばクレア、さっき呪文噛んだよね?」

クレア:「あ、気付きました?」

ハート:「多分それのせいだね」

クレア:「(棒読み)ごめんなさーい」

クローバー:「てか、化粧までバッチリなんですが……」

スペード:「なによ〜?女としてお化粧は嗜みよ。そこの貧乳ロリっ子と一緒にしないでいただける」

ハート:「ひ、貧乳……ロリっ子……もういっぺん死ぬ?」

スペード:「そんなペチャパイに負けるわけないじゃない。やれるもんならやってみなさいよ」

ハート:「あーもう、カチコン来た!クローバー!鎌かして!」

クローバー:「え、あ、はい。どうぞ」

クレア:「貸しちゃうんですか!?蘇ったのに……」

スペード:「そんなオモチャで私とやる気?笑わせないでくれるかしら。私の本気、カマ拳法味あわせてあ・げ・る」

クローバー:「やっぱりオカマじゃないっすか!」

ハート:「くたばれぇえ!カマGK2R!(ジーケーツーアール)」

スペード:「ふんっ!うふふ、だから言ったじゃな〜い?そんなオモチャじゃ私は倒せなくてよ。私を倒したければ、イケメンでも連れてくるのね」

クレア:「なんか、ラスボスみたいですね……」

クローバー:「下手したらラスボス以上じゃないっすか?俺こんなラスボス嫌っす」

クレア:「あら、気が合いましたね」

クローバー:「そうっすね!結婚するっすか!」

スペード:「あら、私、貴方はタイプじゃないわ」

クローバー:「お前じゃねーよ!」

ハート:「私のセリフ……」

スペード:「あら、胸がちっちゃいと心もちっちゃいのね」

ハート:「ちっちゃい、ちっちゃい……あぁぁあああ!もう我慢の限界!」

スペード:「あらあら、器もち〜っちゃい、のね」

クローバー:「なんか、エスカレートしてません?ヤバくないっすか?」

クレア:「私達にはどうにも出来ません」

スペード:「悔しかったら、女を磨きなさい」

ハート:「もういい!私帰る!」

スペード:「あらあらあら、ち〜〜っちゃいとやる事も中途半端なのね、うふふ」

ハート:「もうダメ……疲れた。終わらせて早く帰る!行こ!クローバー、クレア」

クローバー:「りょ、了解っす……」

クレア:「あっ、は、はい!」

スペード:「(小声)見た目と一緒で子供ね、うふふ」

クレア:「こうして、復活したおネェさん含め4人で玉座に向かうのであった」

ハート:「続きを見たい方はwebでね!」

クローバー:「え!?あるんすか!?」

スペード:「あるわけないじゃないのよ、まったく…お・ば・か・さ・ん」


ミッションインチョッチブル 45〜60分台本


配役
スペード♂(スペードN):頑なだが、本人は自覚なし。楽しい事を好む実は楽観者。格闘技に長けているが本編には使われない。何故かおネェになる

クローバー♂:偽善者代表。すぐ態度をコロコロ変えるノリで生きてる男。口が軽い。

ハート♀:合法ロリ。お調子者だが、やる事なす事全て上手くいく謎の強者。組織一のスピードの持ち主。

クレア♀:頭の回転が早く、人の心を読む事が出来る。無愛想だが笑うと可愛い。悪ノリが凄い。戦闘力は皆無。


※台本チェック推奨……文中にセリフ「被せる部分が多々あります


〜〜建物前〜〜

ハート:「えっとぉ……今日のターゲットは、ここかぁ」

スペード:「あぁ、ここの最上階にある神秘の飛翔石が今回の依頼だ。セキュリティも万全だ、迂闊な事はせず慎重にだな……」

ハート:「(遮るように)私が”取ったどぉ”するんだぁ!レッツラゴー!」

スペード:「(遮るように)ちょっ!?まっ!……はぁ、だからハートとは組みたくないんだよ…帰ったら文句言ってやる」


〜〜潜入〜〜


ハート:「へぇ〜これがセキュリティ万全かぁ、大した事ないね!これなら私達がわざわざ来る事もなかったんじゃない?なんか退屈になりそ〜」

スペード:「おいおい、油断とはまだまだだな。仕事の難易度にレベルの違いはあれど、どれも同じ仕事に変わりはない。それに我々にミスは許されない、慎重に行くぞ」

ハート:「はぁ〜い……スペードって無駄に堅いよね。楽しまなきゃ、だよ!てことで、楽しんでいこぉ!」

スペード:「私はこれでも楽しんでいるのだがな……(呟くように)そんなに私は堅いのか……」


〜〜謎のものとの遭遇〜〜


スペード:「待てっ。誰かいる…警備のものか、それとも同業者か……少し様子を見よう。わかったなハート、くれぐれも変なことはするなよってあれ?……あぁ!」

ハート:「(遮るように)やっほぉ!そこの人ぉ、何してるのぉ?」

クローバー:「ぬぁ!?……えっ。あれ?ハートじゃないすか!こんなとこで何してんすか?」

ハート:「えぇーっとねー……この先にある、なんたらってヤツを取りに来たの!スペードもいるよ!クローバーは?」

スペード:「フッ、まさかお前が来てたとはな。久しぶりだなクローバー」

クローバー:「おぉ!スペードォオ!久しぶりっすねぇ。もしかしたら同じ依頼すか?俺もハートが言ってた、なんたらって言う神秘の飛翔石の依頼っす」

スペード:「クローバーもか……どういう事だ。上のものは一体何を考えているんだ…」

ハート:「まぁいいじゃないかぁ。えぇじゃないかぁ。仲間が増えたって事で、御目当てのものはこの先なんでしょ?さっさと終わらして、前みたいにみんなでお喋りだぁ」

クローバー:「おぉ?いいっすね!俺がどんだけ活躍したか話してやるっす!」

スペード:「前みたいにか……それは楽しみだな」


〜〜目的の部屋到達〜〜


ハート:「トトトトトォー!やったぁ!私がいっちば〜ん」

クローバー:「あぁ〜待つっすー!はぁはぁ、ハートは相変わらず早いっすね」

スペード:「よっ!遅かったな。待ちくたびれたぞ」

ハート:「え?」

クローバー:「は?後ろに居たんじゃ……」

スペード:「ん?なんだその反応は…早く終わらせて呑むんだろ?チンタラしてらんないだろ」

クローバー:「そりゃそうっすけど…てっ、え?何これ…飛翔石は?」

ハート:「綺麗……お人形さん?」

スペード:「その事については私も頭を抱えている……ターゲットはここの部屋の神秘の飛翔石のはず」

ハート:「だけど、あるのは飛翔石ではなく」

クローバー:「そこには、人らしきモノがいるだけ、と」

クレア:「お待ちしておりました。スペード・ハート・クローバー。私が今回の依頼主クレア・ハーベストです」

ハート:「ひゃっ!?喋った!」

スペード:「ほぉ、貴方が依頼主のクレアか……で、これはどういう事だ?」

クレア:「貴方たちには、神秘の飛翔石の奪還と伝えましたが、本当の目的は、私の護衛任務です。」

クローバー:「えぇっと、クレアさん?どーゆーことすか?分かりやすくお願いしたいっす」

クレア:「わかりました。私はスキャルダ王国王女、アンジェリカ・ジョ……」

ハート:「(遮るように)スキャルダ王国王女って、あの大国の!?」

クレア:「(咳払い)話は最後まで聴いてください。スキャルダ王国王女のアンジェリカ・ジョセフのクローンです。そう、私は造られたモノ。その製造過程で私の体内には王国の軍事機密のチップが埋め込まれています」

スペード:「なんともデカイ話になりましたな。そのチップはそんなに価値あるモノなのか?」

クレア:「はい。このチップ1つあれば、衛星や全世界のネットワークのハッキングは容易いもの。更に半径100キロはチリに出来るプロトニウム核爆弾の設計図まで入ってます」

クローバー:「おいおい、こりゃ世界的問題!なんでそんな物騒なモノ残してんすか、壊すなりなんなり出来たっすよね!?」

クレア:「はい。それは出来ました。しかし、私の創造者は言っていました。このデータがあるから、この国は生きながらえ、繁栄し安寧を得たと……」

ハート:「あんな大国がそんなに危ないの?かなり裕福な国だと思うけど」

クレア:「表立っては居ませんが、内部ではかなりの歪みや亀裂、闇があるのです。それに貴族内部の反乱や一部の民の抗争により、国は滅び掛けた事もあります」

クローバー:「話は何となくだがわかったっす。で、俺らにどうしてほしいんすか?」

スペード:「待て、クローバー!信じるのか?それに私達には手に負えない事かも知れないぞ?」

クローバー:「こんなに綺麗な女の頼みっすよ!?断ったら男が廃る!それに内容は違えど、一度受けた依頼っす。やってやるっすよ」

ハート:「クローバーかっこうぃい!よっ!イッケメ〜ン。て事で、私も乗った!なんか楽しそうだし〜エヘヘ〜」

スペード:「エヘヘ〜って、お前ら……はぁ、わかった。クレア、お前の命預からせてもらう」

クレア:「あ、ありがとうございます!では、皆さん宜しくお願いします」

クローバー:「でさ、クレアちゃん」

クレア:「クレアちゃん?」

クローバー:「あ、嫌だったら、ちゃん付け止めるけど」

クレア:「いえ、大丈夫です。初めてそう言われたので、驚いただけです」

クローバー:「へ?そーなのすか?んじゃ、クレアちゃんで!それで具体的に何するんすか?」

ハート:「敵が来たら、バーンってやってビューンってバッキバキのメキメキのシナシナにすればいいんだよ!」

クローバー:「待て待て、最後のシナシナってのは引っかかるすよ!どんなんすか」

スペード:「クローバー……お前は知らないのか…残念ながら私も知らない」

クローバー:「てっ、知らないんかーい!」

クレア:「ウフフ……」

クローバー:「おっ?笑うんすね。良い笑顔するじゃないすか!惚れちゃいそうっす」

ハート:「もぉ〜クローバーったら……女には目がないんだから」

スペード:「お前ら、和んでるとこ悪いんだが、敵さんは待ってはくれないみたいだぞ。取り敢えず、ここから脱出しよう。クレアの事はクローバーに任せるぞ?私にはハートのお守りで手一杯だからな」

ハート:「お守りってなによ!お守りされるほどやわじゃないよ〜だ」

クローバー:「てことらしいっす。クレアちゃん、俺から離れんなよ?しっかり守ってあげるからね」

クレア:「はい、クローバーさん頼みました」

スペード:「じゃあ、いくぞ」


〜〜飛行機内部〜〜


クローバー:「てか、ハート、飛行機運転できたんすね」

ハート:「え?ノリだよぉ!車の免許も持ってないよぉ〜」

スペード:「持ってなかったのかよ!?」

クレア:「えっと、大丈夫なのですかね?」

スペード:「まぁ大丈夫だろう。ハートはミスをした事がない。(震え声)信じていいだろう」

クローバー:「ちょ、まっ!震えてるじゃないっすか!説得力ないっすよ〜」

クレア:「クローバーさん、ハートさんを信じましょう。彼女なら大丈夫です」

クローバー:「クレアちゃんが言うならわかったっす…てか、ハートって幾つなんすか?」

ハート:「ん?私32だよ」

スペード:「えっえぇぇえええ!!さささ32!?その身長で、その見た目で、その声で、32!?私より歳上だったのか…」

クローバー:「知らなかったんかーい!てか、マヂすか…32って。オバさんやん…騙されたっす…」

ハート:「オ・バ・さ・ん?誰がオバさんですってぇええ!」

クローバー:「ちょ!?ハンドルハンドル!!落ちるっすぅうう!!」

クレア:「任せてください。私が運転します」

スペード:「えぇぇえええ!!運転できたのか!?」

クレア:「はい、私は免許持ってますよ」

クローバー:「マヂすか……美貌を兼ね備え、更に免許まで持っているとは……また君に惚れちゃいそうっすわ」

ハート:「ふんっ、どーせ私は免許ないですよ〜ん」

スペード:「で、クレア。何処に向かっているのだ?」

クレア:「はい、そうですね。そろそろ皆さんには本題を話しましょう」

クローバー:「え、今更本題!?まだ入ってなかったすか?」

ハート:「クローバーはいちいち細かいのよ。そんなだから、当て馬野郎って言われるのよ。このハゲッ!」

クローバー:「当て馬はまだ良いとして、ハゲは、ハゲだけはやめてほしいっす〜」

クレア:「(咳払い)そろそろ茶番は満足しましたか?」

クローバー:「あ、はい」

クレア:「……私たちが向かっているのは、ガルバダ。そこに居る、私を造った博士に会いに行きます」

スペード:「ガルバダか……博士に会ってどうする?」

クレア:「まず、熱い抱擁を交わし、身体の隅々までボディチェックをしてもらい。博士ならチップを取り除く事が出来るかもしれません」

クローバー:「熱い抱擁!?ボディチェック、だと……お、お、俺にもさせてほしいっす!」

ハート:「んもぉ〜しょうがないなぁ〜。そんなに言うならちょっとだけよ」

クローバー:「お前じゃないわ!」

スペード:「成る程……博士か……そしたら、クレアは助かるかも知れないんだな……よしガルバダに行こう」

クレア:「(スペードの博士か……辺りから被せて)はい、着きました」

クローバー:「(クレアに続いてスペードに被せて)おっ?着いたんすか?いきましょか」

ハート:「(クローバーに続いてスペードに被せて)つ・い・た!さっ、いこいこ!」

スペード:「てぇっ、あれ?みんな?」

ハート:「何してんのー?置いていっちゃうよ〜」

スペード:「私を置いてくとは何様だ!」

ハート:「うるさい」

スペード:「うるさいとはなんだ!まず第一にーーー」

ハート:「(遮るように)うるさい!」

スペード:「は、はい」

クレア:「あのー、何か書いてありますよ」

クローバー:「ええっと、何々?スペードこの後死ぬかも?えぇ!?死んじゃうんすかスペード!」

スペード:「ぬあ!?誰だそんな事書いたのは!」

ハート:「うるさい」

スペード:「うるさいとはなんだ!私は絶対に死なんぞ!どうせ、こんなのイタズラだ!お前らが書いたんだろ」

クレア:「うふふ」

スペード:「おい、何とか言えよ……」


〜〜夜の倉庫〜〜


クローバー:「ここは薄暗く、月の明かりが輝きを放ち、物音一つ無い静かな荒野であった……俺たち寄せ集めレンジャーもとい、愛と情熱の戦士レッドことクローバーと……その他3名との旅の話であるっす」

ハート:「ねぇスペード、クローバーがまた変なスイッチ入ったみたいだけど……」

スペード:「それどころではない!放っておけ!……私は死にたく無い。気を引き締めて行かなければ」

ハート:「にしてもぉ、何で居場所バレたんだろうねぇ……やっぱりスペードの臭さは尋常じゃなかったってことなのかな?」

スペード:「え、ちょっと待て。臭い?私が?……そうやって私をネタキャラに持っていくのは良くない!私は誠実で紳士な存在であるべきなのだ!臭いわけが…」

クレア:「(遮るように)キャー!ヤダヤダヤダ!こっち来ないで!」

クローバー:「ん!?クレアちゃんがピンチ!敵は俺が倒す!クレアちゃんは俺が守る!トォー!スタタタターン、お待たせっす!」

クレア:「……クローバーさん、助けて……虫が。私虫ダメなんです」

クローバー:「俺の女を泣かせる奴はゆるさねぇ!覚悟するっすよ!」

スペード:「ぬぁ!?ちょっと待て!私だ!」

クローバー:「問答無用っす!オリャァアア!ハッ!テヤッ!」

スペード:「(頭の中で)待てよ……これがフラグだとすれば、これを乗り切れば私は死なない、ならば……昨夜テレビで修得したあれを試すか」

クローバー:「観念せいやぁ!俺の攻撃から逃げられる奴はいない……はずっすよ!」

スペード:「時満ち足り、銀河一等星の輝き萌ゆる、ユカリン超絶萌えキュンファンタジックアタック。くぅらぁぇえー!ユカリンダイナマイトォー」

ハート:「え、何それ……キモ」

クローバー:「そりゃ無いすね……俺も流石に引きます」

スペード:「まてぇえええ!ユカリンの凄さわからんのか!?クレアは分かるよな?な?」

クレア:「見た事ありますが、ちょっとドン引きですね。ごめんなさい。分かりやすく言ったら、ユカリン超絶ドン引キックです」

スペード:「ガーン……ちょっとなのに、ドン引きに引っかかるが……誰も分かってくれなのか?ユカリンの素晴らしさを……うぅぅ。ユカリン……」

ハート:「そこまでか……だから私にあんなにツインテールを推してきたのか……ただのゲス、キモ、クサ、ロリコンじゃない」

クローバー:「やっぱり、ネタキャラ勝てないっすわ。格が違いすぎます。格が、はははは」

クレア:「(小声)私もユカリン大好きなんて、言えない……」

ハート:「にしても、流石クローバー!あのゲス、キモ、クサ、ロリコン狙いながら敵倒すなんて、見直しちゃった。序でにやっちゃえばよかったのに〜もぉ」

クローバー:「はははは、そんな事無いっすよ。ハートだって沢山倒したじゃないっすか。まぁ俺としては、本気で主役狙ってたんすけどねぇ、倒せなかったすわー」

ハート:クローバー:「はははははは」

クレア:「(2人に合わせて苦笑い)はは、あははは」

スペード:「ユカリン……ユカリンは正義だ。天使だ。神だ。ユカリンこそ絶対神なんだ……ちくしょう、うぅぅ……」

ハート:「いつまでやってんのよ。結局スペードは1人も倒してないんだからね?活躍ゼロ。分かる?そんな人ユカリンが好きになるわけないでしょ、フラグ折って生き延びたんだから、前向きに!ほら行こ、GK2R」

スペード:「ぉ、おぅ。ん、待て、ジーケーツーアール?なんだそれは」

ハート:「ゲス、キモ、クサ、ロリコン……長いから略してGK2R!ドヤ、カッコいいでしょ!」

スペード:「響きだけだろ!あくまで悪口ではないか……」

クローバー:「いいっすね!カッコいいっすよ!GK2Rスペード!二つ名みたい!」

クレア:「(棒読み)わぁ、ステキ。GK2Rいいですね。」

スペード:「そ、そうか?そこまで言うなら、良かろう!私は今からGK2Rスペードだ!はーはっはっはっはっはー、はーはっはっはっはっはー……さぁ、新生GK2Rスペードがお相手いたそう!何処からでもかかってこーい!」

(スペードの高笑いから被せてく)
ハート:「ちょろ……扱い易くて助かるわ」

クローバー:「本当みんな怖いっすわ〜」

クレア:「あはは、仲間、なんですよね?」

ハート:「まぁ、多分?」

クローバー:「その適当感好きっすわ〜」


〜〜研究所〜〜


スペード:「ここか、博士がいるのは」

クレア:「えぇ、コンコン、失礼します」

クローバー:「ちょっと待つっす!コンコンって……ノックじゃなくて実際に言うんすか!てか失礼しますって、礼儀正し過ぎないすか!」

クレア:「いえ、合言葉なんです。これでゲートが開くんです」

ハート:「何それー、おっかしぃ」

スペード:「合言葉か……私達も何かカッコいいものはないか……」

ハート:「ん、GK2Rどうかしたの?」

スペード:「ん、いや、私達にもそう言った合言葉やチーム的な何か無いかな、とな」

クローバー:「もうGK2R馴染んでるし……」

ハート:「んーそうだなぁ……ハート様と下僕達!ってのは?」

スペード:「却下だ!」

クローバー:「無いっすねー」

クレア:「私は合ってると思いますけど……」

ハート:「クレア本当!?やっぱわかってるわね!これだから男は人としてダメなのよね」

スペード:「待てよ。何故、人として否定された……」

クローバー:「スペードは本当に見る目ないっすよね〜。ハート様と下僕達!いいじゃないっすか!最高っすよ!」

スペード:「なっ!?裏切るとは……きびだんごやるから仲間になれ!」

クローバー:「女を敵に回すとおっかないんすよ?てか何なんすか?きびだんご?そんなのいるかー!」

ハート:「あれ?クレアは?……あ、いた!博士いたー?」

クレア:「うぅぅ……」

スペード:「どうしたんだ?博士に何かあったのか?」

クレア:「うぅぅ。博士が、博士が……眠っています……」

クローバー:「えーっと、整理するっすね…んーと、要するにあれすか?その熊が博士で、今は睡眠中?まさかの冬眠中的なすか?」

クレア:「うぅぅ。はい……博士は熊です。そして冬眠時期なのを忘れていました……(怒り)何より、博士の抱擁が受けられないのは辛いです」

ハート:「そこかーい!どんだけ抱きつかれたかったの!?そんなに抱かれたいなら、いっその事私が、ぐへへ」

クレア:「結構です……色々硬そうですし」

スペード:「フッ。振られたなハート!それに胸が無い事までズバって!ははははは(吹っ飛ばされる)あべし!」

クローバー:「こうしてスペードの人生の幕は閉じたのであった……」

ハート:「死んどけゴミ」

クローバー:「まぁ、死んだ仲間は気にしても仕方ないからいいとして、博士寝てるけど、どうすんすか?」

クレア:「そうですね。ゴミはゴミらしく放って置いて、どうしましょう……博士なら何かわかると思って来ましたが、困りました」

ハート:「ホント、あんなゴミが起きてる代わりに博士が起きてたらよかったのに……」

スペードN:「(咳払い)博士に会いに来た彼らであったが、博士は熊であり、冬眠中であったのだ……私はどうしたか?それは、あれだ。フラグを回収した!とだけ言っておこう」

ハート:「まぁ、冬眠中なら仕方ないじゃん!博士は諦めてさ、スキャンダル王国に直接行ったら何かわかるんじゃない?」

スペードN:「訂正しておこう。スキャンダル王国ではなくスキャルダ王国である」

クローバー:「そうっすねー、待ってもいられないし、お荷物居なくなったすもんね!」

クレア:「そうですね、物語の進行もしやすくなりましたし、直接行ってみます。険しい道になると思いますが、宜しくお願いします」

ハート:「まっかせといてよ!あの木偶の坊がいなくなった私は最強よ!」

スペードN:「私はかなり嫌われており邪魔者だったみたいだ……(咳払い)こうして彼らはスキャルダ王国に向かうのであった」


〜〜王国前〜〜


スペードN:「無事、王国前までやって来た3人。クレアの道案内により裏口から内部に潜入する」

ハート:「ここはドカーンと盛大に正面からいこー!」

スペードN:「え……ナレーション無視ですか?進行通り行ってもらわないと困るんですが…」

クローバー:「いぇーい!派手にいくっすよー!勿論、クレアちゃんはしっかり守るっすよ」

スペードN:「ナレーションになっても、こんな扱いですか?そんな露骨な扱いしなくても……」

クレア:「流石に可哀想になってきました」

ハート:「何言ってんのよ。今は亡きGK2Rは超が付くほどのドMなのよ?だから、内心ハイテンションだよ」

クレア:「そうだったんですね!なら、よかったです。頑張ってチャチャ入れてくださいね、へっぽこナレーターのGK2R」

スペードN:「朗報です。只今より私は超!ドMになりました。これからもこんな私を何卒よろしくお願い致します」

クローバー:「こんだけ敵さんいてくれたら、俺の技の見せ所があり過ぎて困りまくりっすな!オリャァアア」

ハート:「アハハハ!クローバー楽しそうね!おおっとぉ〜こんなに可愛い女の子に何すんのよ!べぇ〜だ」

クローバー:「せやっ!はっ!後ろがガラ空きっすよおじさん、はいドーン」

ハート:「はい、ざ〜んねん、こっちでした〜っと〜……よしっ、あらかた片付いたかな?」

クレア:「2人とも凄いです!何とかさんがいた時より活き活きしてて、強くてカッコよかったです!」

クローバー:「フンッ、惚れられちまったすか……結婚か」

ハート:「えぇ……私……その……ごめんなさい」

クローバー:「だから、お前じゃねぇっすよ!」

クレア:「ノリツッコミも冴え渡ってますね!」

スペードN:「私の立ち位置は本当に無くなってきているが、今は何を言っても叶わん。何故ならフラグを回収したからだ。そんなこんなで2人の活躍により正面突破は成功し、城に乗り込むのであった」

ハート:「はぁ、つっかれたぁ〜今日もいっぱい動いたし、今日は休んで明日の朝、また正面から城に入ろっか!」

クローバー:「そうっすね!腹減ったっすわ」

クレア:「私はシャワーを浴びたいですね」

スペードN:「またしてもナレーション無視……(咳払い)訂正しよう。王国に乗り込む事に成功した彼らは一次休息を取り、明朝、城に行く事に決めた」

クレア:「……」

スペードN:「そこ黙るなよ!!」

ハート:「えぇーいい感じに話纏まってたじゃん、終わりの流れでしょ」

クローバー:「そうっすよ。キリいいじゃないっすか!空気呼んでくださいよ、ナレーターさん」

クレア:「何とかさんって、戦っても活躍しなくて、ギャグ線もイマイチで空気までも読めないんですね!」

スペード:「あぁ、もういい。もううんざりだ……ナレーターなんてやってられるか!……今回の役も嫌々やらされたが、後悔しかない!人を何だと思ってんだ!」

ハート:「人も何も……死者のあんたに人権なんてある訳ないでしょ!」

スペードN:「だそうです。私は存在感を失い、命を失い、人権までも失ったそうです。まぁ話が進みませんので、王国に行くとしましょう。終わりませんからね?終わらせませんよ!」

〜〜王国〜〜


スペードN:「敵地である王国内で呑気に睡眠を済ませ一夜が明けた。身支度を済ませた彼らは王国の城に乗り込むのであった」

クレア:「恐らく王国内は昨夜の騒ぎで警備がより厳重になってると思われます。気を付けてください」

クローバー:「ああぁぁぁぁぁぁ!」

ハート:「なっ何よ!いきなり大声出して!発情期ですかぁ?」

クローバー:「ちゃうわ!それに、どっかで聞いたことある様な事……じゃなくて!歯磨き忘れたんすよ!」

スペードN:「ええっと……歯磨き?敵地ですよ?呑気すぎにも程がありますよ。早く進行してくださいよ」

クレア:「ナレーターさん煽ってきますね…」

ハート:「生意気よね。ナレーターのくせして」

クローバー:「ひゃ〜、女ってこえーなー」

ハート:「早くしなさいよ、クローバー待ちなんだからね!」

クローバー:「へいへい、磨いてきまーす!」

スペードN:「私の扱いは相変わらず酷いが……」

クレア:「(遮るように)クローバーの歯磨きが済み、私達は城内に侵入を試みるのでした」

スペードN:「え、待って……進行通り行かないのも、罵られるのも許すから……ナレーターの立ち位置までは奪わないで……」

ハート:「あははは!クレアにまで、あははは、おっかし〜」

スペードN:「お願いします。せめてもの情けを……私に慈悲をください」

クローバー:「おっまたせぇ!ん?どうかしたんすか?」

ハート:「なんもないよー!行こっか!」

クローバー:「おうっ!いざ城に!」

クレア:「はい」

スペードN:「ぉ、おぉー」



ハート:「あらら〜、やっぱり沢山いるね〜」

クローバー:「こりゃ、俺でもちょっと堪えそうすね」

クレア:「ついて来てください!上位貴族しか知らない裏口へ案内します」

スペードN:「そう言ったクレアに2人も賛同し、裏口から城内へ侵入する……私が居ればこんな数でも余裕なんだが……私は今は亡き。無念と言うより不満だ!」

ハート:「なーにペチャクチャ言ってるのよ!気が散るから失せてなさい」

スペードN:「覚えておけ……来世までも呪ってやるからな」


〜〜城内〜〜


スペードN:「あくまで優しい私は呪う事なく見過ごし、そうこうしてる間に場内へ難なく侵入したのであった」

クローバー:「ひょえ〜……本ばっか」

ハート:「ここは、書物室?」

クレア:「そう。ここにある本は使われる事を禁止された、禁書よ」

クローバー:「まぢかよ!これ全部禁書?お宝じゃないっすか」

スペードN:「壁一面には数え切れない程の本と……スプーン?があった」

ハート:「あのねぇ、本が沢山あるってもう私達が言ったでしょ!同じ事言ってどうすんのよ!それにスプーンなんてある訳……ッ!」

クローバー:「確かにスプーンすね」

クレア:「スプーンですね……何故でしょう」

ハート:「べ、別に私は負けてなんかないんだからね!」

クローバー:「勝ち負けだったの?てかスプーンの有る無しで勝ち負けって、はははは。本当おもしろいっすわ」

ハート:「う、うるさいわね!何よ、文句ある?」

クレア:「そう言えば、この部屋の何処かに蘇生についての本があったはず」

スペードN:「何!おいお前達!探し出してくれ!頼む。お願いいたします。この通り。」

ハート:「蘇生?誰を?いらないでしょ"そんなの"」

クローバー:「でも、せっかくそんなのがあるんすから、やってみてもいいんじゃないすか?一応、元仲間なんすから、一応」

クレア:「そうですよ。生きてても死んでても、存在感然り、その他諸々の影響力、役割は変わらないですから」

ハート:「そうね……じゃあ探しましょうか」

スペードN:「そうして、蘇生術を記した本を探す事になった。そして、段々と私の扱いが悪化してくのに慣れを感じ始めて来たが、慣れとは恐ろしい。自分が自分で無くなってしまうようだ」

ハート:「あ、あったわ!これよね?」

クレア:「はい、それで間違いありませんね」

クローバー:「流石っすねハート、1番の思い人なだけはあるっす!」

ハート:「ん?なーにー?死にたいって言ったのかしら?」

クローバー:「あははは〜冗談っすよ〜……あっぶね〜どっかの誰かの二の舞になるとこだった」

ハート:「で?クレア、どうすればいいの?」

クレア:「この本によれば、 この本にフェニックスの雫を垂らし、蘇生者の髪の毛と一緒に燃やす、みたいですね」

ハート:「あぁー、しまったー!」

クローバー:「え、何?どうしたの?」

ハート:「髪の毛よ!髪の毛!」

クレア:「あ……」

クローバー:「何で30も行ってないのに禿げてんすか……諦めですかねー」

ハート:「脇毛でやってみましょ!」

クローバー:「まぢかよ。大丈夫なんすか?てか、フェニックスの雫て何すか?」

クレア:「これ、ですね」

ハート:「何で書物室にあんのよ。まぁラッキーだけど…とりあえず、やってみよー!」

スペードN:「髪の毛のない私は代用として脇毛を使っての蘇生に心配と希望で胸が一杯であった」

クレア:「……では、始めます。毛深き汝の力をもって、彼の御霊を呼び戻したまえ……」

クローバー:「おぉ!何か光ってる、輝いてる!」

ハート:「頭だけね」

クローバー:「そこは盛り上げなきゃじゃないっすか!」

ハート:「ん?」

クレア:「生えてますね」

クローバー:「生えたね」

スペードN:「生えました。なんか嬉しいけど悲しい」

ハート:「そこじゃないでしょ!生き返ったの?」

クレア:「生き返ったのは髪の毛だけ、ですね」

クローバー:「それじゃダメじゃないっすか!髪の毛の生えたスペードさんなんて見たくなかった……」

ハート:「でも、案外良い面してるわよね」

クレア:「えっと……あっ!呪文間違ってました……」

クローバー:「そこ間違えちゃダメっすよ!」

クレア:「も、もう一度やってみますね!」

ハート:「時間取るのもなんだし、今度はよろしくね」

スペードN:「私からも何卒よろしくお願いしたい」

クレア:「では、気を取り直して……ハァァアア!生命の理は死より始まり、死に終わる。傀儡と化し蘇りて、我にしたが……」

クローバー:「(遮るように)ちょっと待つっす!死とか、傀儡とか、何言ってんすか!?」

クレア:「何って、どうせなら、私のお人形さんにしよっかなって……ダメでした?」

ハート:「クレアがペットとして欲しいならいいんじゃない?」

クローバー:「ハート……それはあんまりじゃないっすか……」

スペードN:「クレアのペットか……意外に悪くないかも知れんな」

クローバー:「真面目に頼むっすよ、クレアちゃん。それにハートも悪ノリしないっす!」

クレア:「はい、ごめんなさーい」

ハート:「私は割と真面目に言ったんだけどなぁ」

クレア:「で、では、更に気を取り直して……慈愛満ち足り汝の力をもって 彼のみちゃま呼び戻したまえ……」

クローバー:「きたー!今度は全体的に光ってるっす!」

ハート:「ん、今、噛んだ……?」

スペードN:「遂に、待ちに待った私の復活。視聴者の皆さま、大変お待たせしました!遂に私が蘇りますよ!」

ハート:「生きてますかー?」

クローバー:「あ、起きた」

スペード:「(おネェ口調)ん、ん〜……やっと生き返ったわ〜。ありがとん、今までの事は許さないけど……今回は感謝しとくわ」

クレア:「え、あれ……」

クローバー:「ちょっと待つっす!どうなってんすかこれ?」

ハート:「オカマになっちゃった?」

スペード:「オカマじゃないわ!おネェさんよ!」

クローバー:「変わりすぎじゃないっすか……」

ハート:「そういえばクレア、さっき呪文噛んだよね?」

クレア:「あ、気付きました?」

ハート:「多分それのせいだね」

クレア:「(棒読み)ごめんなさーい」

クローバー:「てか、化粧までバッチリなんですが……」

スペード:「なによ〜?女としてお化粧は嗜みよ。そこの貧乳ロリっ子と一緒にしないでいただける」

ハート:「ひ、貧乳……ロリっ子……もういっぺん死ぬ?」

スペード:「そんなペチャパイに負けるわけないじゃない。やれるもんならやってみなさいよ」

ハート:「あーもう、カチコン来た!クローバー!鎌かして!」

クローバー:「え、あ、はい。どうぞ」

クレア:「貸しちゃうんですか!?蘇ったのに……」

スペード:「そんなオモチャで私とやる気?笑わせないでくれるかしら。私の本気、カマ拳法味あわせてあ・げ・る」

クローバー:「やっぱりオカマじゃないっすか!」

ハート:「くたばれぇえ!カマGK2R!(ジーケーツーアール)」

スペード:「ふんっ!うふふ、だから言ったじゃな〜い?そんなオモチャじゃ私は倒せなくてよ。私を倒したければ、イケメンでも連れてくるのね」

クレア:「なんか、ラスボスみたいですね……」

クローバー:「下手したらラスボス以上じゃないっすか?俺こんなラスボス嫌っす」

クレア:「あら、気が合いましたね」

クローバー:「そうっすね!結婚するっすか!」

スペード:「あら、私、貴方はタイプじゃないわ」

クローバー:「お前じゃねーよ!」

ハート:「私のセリフ……」

スペード:「あら、胸がちっちゃいと心もちっちゃいのね」

ハート:「ちっちゃい、ちっちゃい……あぁぁあああ!もう我慢の限界!」

スペード:「あらあら、器もち〜っちゃい、のね」

クローバー:「なんか、エスカレートしてません?ヤバくないっすか?」

クレア:「私達にはどうにも出来ません」

スペード:「悔しかったら、女を磨きなさい」

ハート:「もういい!私帰る!」

スペード:「あらあらあら、ち〜〜っちゃいとやる事も中途半端なのね、うふふ」

ハート:「もうダメ……疲れた。終わらせて早く帰る!行こ!クローバー、クレア」

クローバー:「りょ、了解っす……」

クレア:「あっ、は、はい!」

スペード:「(小声)見た目と一緒で子供ね、うふふ」

クレア:「こうして、復活したおネェさん含め4人で玉座に向かうのであった」

ハート:「続きを見たい方はwebでね!」

クローバー:「え!?あるんすか!?」

スペード:「あるわけないじゃないのよ、まったく…お・ば・か・さ・ん」







 

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